田舎街のタクシードライバー

人生の折り返し地点!吉と出るか凶と出るか?

無尽と言う名の老害について

「無尽(むじん)」という言葉をご存知でしょうか?古くは互助扶助の民間金融制度だったものが、いつしか「飲み会」や「旅行」など、エンタメ性の高いものに変わっていきました。山梨県の田舎では、この無尽と言う名の飲み会が老人を中心に行われています。


夜の11時をまわった頃、スナックからのタクシー依頼が入り直行。お酒を飲んだ帰りにタクシーを使う方は田舎でも普通にいます。東京とは違い、ほとんどの方は節度ある飲み方をされていて非常にお行儀がいいんですが・・・。

5分程待機してると4人組の酔っぱらった老人が出てきましたが、中々タクシーに乗る気配なし。スナックのママがタクシーに乗るように促しますが、そんな事お構いなしに大きな声で話し続ける始末。・・・・、我慢我慢・・。ようやく乗り込んだと思ったら、助手席に座った禿おやじが大きな声で「○○へやってくれ」と何故か半ギレ状態。

私「○○ですね。この道を真っすぐで宜しいですか?」

禿おやじ「何だ道知らんのか~?え~お前新人か?」

私「まだ2ヵ月でして(我慢我慢・・・)」

禿おやじ「運転変わってやろうか?俺の方が道しってるぜ~」

私「お客さん面白い事おっしゃいますね~(お前らの家なんか知らね~よ)」

禿おやじ「俺は昔船乗りだったんだぜ~」

私「(だから知らね~って・・あ~めんどくせーな)」

これ以後この禿おやじの言う事は完無視。すると程なくして大人しくなり、ちらりと横目で確認すると・・・・・・4人中3人寝てやがる・・

私「(これが老害ってやつか。早く逝ってくれないかな・・)」なんて思った一日の終わりでした。

田舎街のタクシードライバーになって3ヵ月が経ちましたが、自分の未熟さに懺悔の日々です。東京に比べたら大したこと無いやり取りでしょうが・・、接客業ってホント大変なお仕事ですね。

「果たして1年後の自分は何してるかな~」なんて思いながら、今日も美しい景色を眺めてタクシーを走らせています。